2026/04/07
お知らせ
埼玉県さいたま市を拠点に全国の中小企業を支援するJinji Compass 社労士事務所です。
2026年は、就業規則に直接影響する法改正が複数重なる年です。
「法改正があったのは知っているが、自社の就業規則がどこまで対応できているか把握していない」という経営者・人事担当者の方が多くいらっしゃいます。
対応が必要な改正を後回しにしていると、従業員からのトラブルや行政指導のリスクが高まります。
この記事では、2026年に就業規則・社内規程への対応が必要な法改正を時系列で整理し、各改正のポイントと対応すべき内容を解説します。
すでに施行済みの内容も含め、自社の対応状況を確認するための一覧としてお役立てください。
|
施行時期 |
法改正 |
規程への影響 |
対象 |
|
確認必須(昨年施行済) |
育児・介護休業法改正 |
育介規程の全面見直し |
全企業 |
|
4月施行済 |
女性活躍推進法・ハラスメント改正 |
ハラスメント規程の更新 |
全企業 |
|
4月施行済 |
確定拠出年金法改正(マッチング拠出) |
確定拠出年金規程の見直し |
DC導入企業 |
|
10月 |
カスタマーハラスメント対策義務化 |
ハラスメント規程への追加 |
全企業 |
|
12月 |
公益通報者保護法改正 |
内部通報規程の整備 |
全企業(従事者指定義務は300人超) |
|
12月 |
確定拠出年金法改正(拠出限度額引き上げ) |
確定拠出年金規程の検討 |
DC導入企業 |

以下では各改正の内容と、就業規則への具体的な影響を解説します。
2025年4月と10月に施行された育児・介護休業法の改正は、就業規則・育介規程への影響が多岐にわたる改正です。
施行済みにもかかわらず、規程の更新が追いついていない会社が多く見受けられます。
詳細な対応内容とチェックリストは、以下の専門記事をご参照ください。
女性活躍推進法・ハラスメント対策の改正により、2026年4月から求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置が義務化されました。
これまでセクシュアルハラスメントの防止措置義務は「在職中の労働者」が対象でしたが、改正により就職活動中の学生やインターンシップ生など求職者等も明確に保護対象となりました。
採用面接・OB・OG訪問・インターンなど、求職者と接触するあらゆる場面が対象です。
現在の就業規則にハラスメント防止の条項がある会社でも、対象が「従業員」に限定されている場合は修正が必要です。「求職者等」への対応が明記されているかを確認してください。
2026年10月から、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が全事業主の法的義務となります。業種・規模を問わずすべての会社が対象です。
以下の3つの要素をすべて満たすものがカスハラに該当します。

正当なクレームや苦情はカスハラには該当しません。また、対面だけでなく電話・SNS・メールでの言動も対象です。
10月の施行に向けて、今から準備が必要です。
現在の就業規則にパワハラ・セクハラの防止規定がある場合も、カスハラは別途追記が必要です。
社内のハラスメントと異なり「顧客等」からの言動が対象という点を明確に規定してください。
なお、カスハラ対策については詳細な解説記事を別途公開予定です。
2026年12月1日から、改正公益通報者保護法が施行されます。
企業のコンプライアンス体制に直接影響する内容が含まれており、就業規則・内部通報規程の見直しが必要です。
フリーランスが保護対象に追加
これまで保護対象は「労働者・役員・退職者」でしたが、改正によりフリーランス(特定受託業務従事者)も新たに加わりました。業務委託を活用している会社は特に注意が必要です。
通報を理由とした不利益取扱いへの刑事罰新設
公益通報を理由とした解雇・懲戒処分に、新たに刑事罰が設けられました。
推定規定の導入
通報後1年以内に行われた解雇・懲戒処分は、公益通報を理由としたものと推定されます。企業側が「通報とは無関係」と証明しなければならなくなります。
内部通報制度の周知義務が法律に明記
これまで指針で定められていた従業員への周知義務が、法律上明記されました。
公益通報対応業務従事者(従事者)の指定は300人超の企業が義務、300人以下は努力義務です。ただし、刑事罰・推定規定・フリーランス保護は規模に関わらず全企業が対象となるため、中小企業も対応が必要です。
企業型DC(確定拠出年金)を導入している会社は、確定拠出年金規程の見直しが必要になる場合があります。
確定拠出年金規程に「加入者掛金は事業主掛金以内」と明記している場合は、その記載を削除する必要があります。
法改正により拠出限度額の上限が引き上げられますが、自社の確定拠出年金規程の上限をどの金額に設定するかは会社の判断となります。
規程に具体的な金額を明記している場合は、見直しの検討が必要です。
以下の項目で未対応のものがあれば、早急な規程見直しが必要です。
2026年の法改正は施行時期が分散しているため、優先度を整理して計画的に対応することが重要です。
|
優先度 |
内容 |
理由 |
|
🔴最優先 |
育介規程の見直し |
昨年施行済み・未対応のリスクが高い |
|
🔴最優先 |
求職者セクハラ規程の更新 |
4月施行済み |
|
🔴最優先 |
DC規程のマッチング拠出の該当規定削除 |
4月施行済み・DC導入企業のみ |
|
🟠夏頃まで |
カスハラ対策の準備着手 |
10月施行まで約6ヶ月 |
|
🟡夏頃まで |
公益通報規程の整備 |
12月施行に向けて準備 |
|
🟡年内 |
DC規程の拠出限度額の検討 |
12月施行・会社判断 |

「どこから手をつければよいかわからない」「現行の就業規則が法改正に対応しているか確認してほしい」という場合は、専門家への相談が確実かつ最短の方法です。
当事務所では、2026年の法改正に対応した就業規則・各種規程の見直し・改定を承っております。
現状の規程を確認した上で、必要な修正内容をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。