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就業規則を自分で作るリスクとは?社労士に依頼すべき理由をわかりやすく解説

2026/04/18

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就業規則を自分で作るリスクとは?社労士に依頼すべき理由をわかりやすく解説

 

「就業規則は、ひな形をダウンロードして会社名だけ変えれば十分なのではないか」

 

 「できるだけ費用をかけず、自社で作れないだろうか」

 

このようにお考えの経営者の方は少なくありません。

 

たしかに、就業規則を会社が自ら作成すること自体は法律で禁止されていません。厚生労働省のモデル就業規則も公開されており、形式上は誰でも作ることができます。

 

しかし、ここで注意したいのは、「作れること」と「会社を守れること」は全く別だという点です。

 

多忙な経営者にとって本当に必要なのは、単に提出できる書類ではありません。労務トラブルを防ぎ、万一の際にも会社の判断を支える「使える就業規則」です。

 

埼玉県さいたま市を拠点に全国の中小企業を支援するJinji Compass 社労士事務所では、就業規則を単なる書類作成ではなく、会社を守り、将来の成長を支えるための重要な経営基盤と考えています。

 

この記事では、就業規則を自分で作ることのリスクと、社労士に依頼するメリットを、実務の視点からわかりやすく解説します。

 

この記事でわかること

 

  1. 就業規則を自分で作る主なリスク
  2. ひな形やモデル就業規則をそのまま使う危険性
  3. 社労士に依頼する具体的なメリット
  4. 就業規則整備の費用対効果の考え方

 

就業規則は「あればよい書類」ではありません

 

就業規則というと、「従業員が10人以上になったら必要になる書類」というイメージを持たれがちです。もちろん届出義務は重要ですが、経営上それ以上に大切なのは、就業規則をどう機能させるかです。

 

就業規則の本来の役割は、主に次の3つです。

 

  • 従業員とのルールを明確にし、無用なトラブルを防ぐこと
  • ・ 問題が起きたときに、会社の判断を支える根拠になること
  • ・ 法改正や助成金要件に対応できる状態を整えること

 

つまり、就業規則は単なる社内文書ではなく、会社を守るためのルールブックです。

 

逆にいえば、内容が不十分な就業規則は、いざというときに会社を守ってくれません。「一応作ってあるから大丈夫」と思っていても、実際には条文が古いままだったり、自社の運用と合っていなかったりして、肝心な場面で役に立たないケースは少なくありません。

 

就業規則は、作ること自体が目的ではなく、実際に機能することが目的です。

 

▶ 実際に就業規則がないことで起きるトラブルの詳細は、就業規則を作らないとどうなる?中小企業で実際に起きるトラブルと対策でも解説しています。

 

就業規則を自分で作る3つのリスク

 

 

リスク① 法律違反の条文が入っていても気づきにくい

 

就業規則は、労働基準法をはじめ、育児・介護休業法、パート・有期雇用労働法など、さまざまな法令に沿って作成する必要があります。内容が法律に反していれば、その条文は書いてあっても無効になる可能性があります。

 

たとえば、次のような例です。

 

  • ・ 「有給休暇は入社1年後から付与する」→ 年次有給休暇は原則として6ヶ月継続勤務し、一定の出勤率を満たせば発生します
  • ・ 「試用期間中は解雇予告なしで解雇できる」→ 一定の場合には、試用期間中であっても解雇予告や解雇予告手当が必要です
  • ・ 「遅刻1回につき1日分の賃金を控除する」→ 減給の制裁には法令上の上限があり、過大な控除は違法となるおそれがあります

 

こうした内容は、ネットのひな形をそのまま使ったり、古い就業規則を流用したりすると見落としやすい部分です。しかも厄介なのは、問題が起きるまで誤りに気づかないことが多いという点です。トラブルになってから「その条文は無効です」と指摘されると、会社としては大きな不利益を受けるおそれがあります。

 

リスク② 会社の実態と合わない就業規則になりやすい

 

ひな形やモデル就業規則は、あくまで一般的な会社を想定して作られています。そのため、自社の実態に合わせて修正しなければ、現場で運用できない就業規則になってしまいます。

 

よくあるのは、次のようなケースです。

 

  • ・ シフト制の従業員がいるのに、固定時間制の条文のままになっている
  • ・ 固定残業代制度を導入しているのに、就業規則や賃金規程に明記されていない
  • ・ パート・アルバイト・契約社員がいるのに、正社員向けの内容しか整備されていない
  • ・ 育児・介護休業規程が古く、法改正後の運用と合っていない
  • ・ 休職・復職・服務規律・懲戒などのルールが実態とずれている

 

会社の実際の運用と就業規則に書いてある内容が食い違うと、問題社員への対応をしたくても規則上の根拠が曖昧になります。残業代・欠勤控除・休職期間・懲戒処分なども、条文と実運用が一致していなければ争いの火種になりかねません。

 

だからこそ、就業規則は自社の働き方・賃金制度・雇用区分に合わせて設計することが欠かせません。

 

リスク③ 法改正への対応漏れが起きやすい

 

就業規則は、一度作ったら終わりではありません。労働法令は継続的に見直されるため、作成後の見直しと改定が必要です。

 

近年だけでも、次のような重要な改正が続いています。

 

  • ・ 時間外労働の上限規制
  • ・ 同一労働同一賃金への対応
  • ・ パワーハラスメント防止措置義務
  • ・ 育児・介護休業法の改正
  • ・ カスタマーハラスメント対策の義務化(2026年10月施行)

 

▶ 詳細は【2025年改正】育児・介護休業規程の見直しを社労士が解説および【2026年版】就業規則・社内規程の必須対応まとめをご参照ください。

 

自社で管理し続ける場合、改正情報を追い、その影響を判断し、必要な条文を修正するのは簡単ではありません。古い規程のまま運用してしまう・助成金の要件を満たせなくなる・行政調査やトラブル時に不利になる、といった問題が起こり得ます。

法改正対応は、知っているだけでは足りません。自社の規程にどう反映するかまで判断する必要があります。

 

ひな形・モデル就業規則をそのまま使う落とし穴

 

厚生労働省のモデル就業規則は、制度理解の参考資料としては非常に有用です。ただし、そのまま自社で使用することには注意が必要です。

 

主な理由は次のとおりです。

 

  • ・ 標準的な会社を前提としており、自社特有の事情が反映されていない
  • ・ 懲戒・休職・復職・試用期間などの重要条項が、そのままでは使いにくい
  • ・ 業種・労働時間制度・雇用区分による個別論点に対応していない
  • ・ 更新を見落とすと、古い内容のまま運用してしまう

 

特に注意したいのは、懲戒や解雇・休職制度のようなトラブル時に重要になる条項ほど、会社ごとの設計が必要だという点です。

「モデル就業規則を参考にしながら自社用に直せばよい」と思われるかもしれませんが、どこを残し、どこを修正し、どこを追加するべきかを判断すること自体に専門性が必要です。

 

社労士に就業規則を依頼するメリット

 

 

① 法的に有効な条文を整備しやすい

 

社労士は、法令・通達・実務運用を踏まえて条文を作成・確認します。見た目だけ整っているが法的には危うい就業規則を避けやすくなります。

経営者にとって大切なのは「作成した」という事実ではなく、いざというときに通用する内容になっていることです。

 

② 会社の実態に合った規則にできる

 

業種・従業員構成・労働時間制度・賃金体系・組織体制によって、設計のポイントが変わります。

社労士がヒアリングを行うことで、会社の実態に合わせた規程へと落とし込むことができます。現場で無理なく運用できる形に整えることに大きな価値があります。

 

③ トラブル時に会社を守る視点を入れられる

 

就業規則の価値が問われるのは、平時ではなく有事です。

問題社員対応・長期欠勤・メンタル不調・無断欠勤・服務違反・ハラスメント・退職トラブルなど、実際の現場ではさまざまな問題が起こり得ます。

単に法律を書き写すのではなく、現実に起こりうるトラブルを見据えた条文設計が必要です。

 

④ 法改正への継続対応がしやすい

 

専門家とつながっていれば、法改正のたびに何を見直すべきかが明確になり、社内対応の負担も軽減されます。

 

⑤ 助成金活用や採用体制整備にもつながる

 

助成金の中には、就業規則や各種規程の整備が前提となるものがあります。

また、採用時に労働条件や社内ルールを明確に示せることは、求職者の安心感にもつながります。

就業規則は、単なる守りのためだけではなく、採用・定着・制度整備という攻めの経営にも関わります。

 

就業規則は「作成すること」より「有事に使えること」が重要です

 

就業規則の整備を検討される経営者の方の中には、
「とりあえず提出できる形にしておけばよいのではないか」
と考える方もいらっしゃいます。

 

しかし、実際に問題になるのは、作成時ではなく、トラブルが起きた時です。

 

たとえば、次のような場面です。

 

  • 問題社員に注意・指導を重ねても改善が見られない
  • ・ 長期欠勤やメンタル不調への対応に迷う
  • ・ 懲戒処分や退職勧奨の進め方を誤りたくない
  • ・ 固定残業代や労働時間制度について説明を求められる
  • ・ 休職、復職、服務規律をめぐって本人と認識が食い違う

 

このような場面では、就業規則に何が書かれているかだけでなく、
その内容が自社の実態に合っており、実際の運用と一致しているかが重要になります。

 

形式上は就業規則が存在していても、条文が曖昧だったり、実態とずれていたり、法改正に対応できていなかったりすると、肝心なときに会社の判断を支える根拠として機能しません。

 

だからこそ、就業規則は単なる書類作成ではなく、将来起こりうる労務トラブルを見据えて設計することが大切です。
Jinji Compass 社労士事務所では、ひな形を整えるだけではなく、問題社員対応、休職・復職、労働時間管理、懲戒、雇用区分ごとの運用差など、実際に争点になりやすい場面を見据えて、会社ごとの実態に合った条文設計を重視しています。

 

就業規則を社労士に依頼する費用は高いのか

 

「専門家に頼みたいが、費用が気になる」というのは自然なことです。ただ、就業規則の作成費用は単なる書類作成コストとして考えるべきではありません。

 

就業規則の不備によって起こりうるリスクとして、次のようなものがあります。

 

  • ・ 未払い残業代請求による数十万円〜数百万円規模の負担
  • ・ 解雇・退職トラブルに伴う解決金や弁護士費用
  • ・ 助成金を申請できなかったことによる機会損失
  • ・ 社内ルールが曖昧なことによる採用・定着面でのマイナス

 

こうしたリスクや損失と比べれば、就業規則整備への投資は決して高すぎるものではありません。

むしろ、将来の大きな損失を防ぐための先行投資と考えるべきでしょう。

また、就業規則の整備は、単に『書類を作るための費用』ではありません。

1回の労務トラブルを防ぐことや、助成金申請の前提を整えることまで含めて考えれば、コストというより経営を守るための投資に近いものです。

 

当事務所では就業規則の新規作成を150,000円〜(会社の規模や内容に応じてお見積り)でご提供しています。

 

▶ 費用・期間・流れの詳細は就業規則の作成費用・期間・流れを社労士が解説をご参照ください。

 

このような会社は、就業規則を早めに見直したほうがよい可能性があります 

 

次のいずれかに当てはまる場合は、就業規則の見直しを優先したほうがよい可能性があります。

 

  • ・ ひな形をほぼそのまま使っている
  • ・ 数年間、就業規則を見直していない
  • ・ 固定残業代・変形労働時間制・シフト制など複雑な制度がある
  • ・ 正社員以外にパート・アルバイト・契約社員がいる
  • ・ 問題社員対応や休職対応に不安がある
  • ・ 助成金の活用を考えている
  • ・ 今後、採用や組織拡大を進めたい

 

また、就業規則は従業員10人を超えてから慌てて作るより、まだ余裕のある段階で整備したほうが、実態に合った内容にしやすく、将来のトラブル防止にもつながります。

 

就業規則の見直しは、トラブルが起きてからでは遅いことがあります

 

就業規則の不備は、普段は見えにくい一方で、問題が起きたときにはじめて大きな差になります。
「まだ大きなトラブルは起きていないから大丈夫」ではなく、何も起きていない今のうちに整えておくことが、結果として会社を守る近道です。

 

まとめ|就業規則は「自分で作れるか」ではなく「会社を守れるか」で考えるべきです

 

就業規則を自社で作成すること自体は可能です。しかし、実際には次の3つのリスクがあります。

 

  1. 法律違反の条文が入っていても気づきにくい
  2. 会社の実態と条文がずれやすい
  3. 法改正への対応が漏れやすい

 

重要なのは、就業規則があることではなく、経営の現場で機能することです。形式だけ整った就業規則では、いざというときに会社を守れません。

 

当事務所では、Web打ち合わせを全部で3回行いながら、条文の内容を画面で共有しながら確認し、会社の実態に合った就業規則を一緒に作り上げることを大切にしています。

 

「ひな形のままで大丈夫か不安」「今の就業規則が古い気がする」「自社に合う形で整備したい」といった段階でも問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。

 

就業規則の作成・見直しのご相談はこちら

 

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